2004年8月28日(土)「しんぶん赤旗」
在日米軍のワスコー司令官が二十六日の東京での講演で、宜野湾市での米軍ヘリ墜落事故をめぐり、乗員が「被害を最小に食い止めようとした」「人のいないところに行った」として、その対応を「すばらしい」と発言したことに現地、沖縄から怒りの声があがっています。
宜野湾市の伊波洋一市長は、「(事故機が)まるで原野に落ちたかのようなコメントで、(米軍が)この程度の認識しかもっていないということを示した」と批判。事故について「小泉首相もすぐにコメントしないなど、日米両政府の対応のまずさが、今度の事件を引き起こしたといわざるを得ない。このような認識では県民、市民の生命や財産は守ることができない。日本政府は(発言の)撤回と謝罪を求めるべきだ」とのべています。
米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学の黒島安武事務局長は「人のいないところに落ちたからいいで済む問題ではない。大学を標的に落としたとしか考えられない。本当に怒り心頭だ」と憤慨。「もし、そんなに操縦がうまいなら、大学のすぐ裏にある基地に落とすことができたはずだ。沖縄の人の命を軽視し、沖縄を戦場と間違っているようにしか思えない」と批判しました。安保条約廃棄・くらしと民主主義を守る沖縄県統一行動連絡会議(沖縄県統一連)の新垣繁信代表幹事は「憤りを感じている。司令官の発言には、沖縄県民の生存権も主権と独立も侵害しておいて平気な姿勢が表れている。そのことへのひとかけらの反省もなく、断じて許せない」と強調しました。