2004年8月28日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 GM(遺伝子組み換え)食品がふえてきていて不安です。現状と対策を共産党はどう考えているのでしょう? (東京・男性)
〈答え〉 種の壁を越えて遺伝子を組み換えた食品は、1994年、世界で初めてアメリカで、日持ちを良くしたトマトで商品化されました。その後、世界の組み換え農作物の種類と作付面積は急増し、03年には、96年の34倍にもなりました。そして、アメリカの組み換え大豆は作付面積の80%を占めるまでになっています。
日本は、大豆の95%を輸入に頼り、うち75・5%がアメリカからです。当然、アメリカから日本にかなりの組み換え大豆が入ってきているはずですが、実態がわかりません。つい最近、市民団体や国民生活センターの調査で「組み換え大豆は、使用していません」と表示している豆腐のうち、5〜6割から組み換え大豆の混入が発見され、消費者の不安、不信がつのっています。
さらに、組み換え食品の安全性について、日本政府は、当初、組み換え作物は、組み換えられた性質以外、成分、形等が以前のものと変わらなければ、実質的に同じという「実質的同等性」の立場から、安全対策をきちんととってきませんでした。
表示についても、アメリカに気がねして、EU(欧州連合)に比べ非常に緩い基準をとっています。しかも最近、「実質的同等性」について、食品安全委員会が、「同等とみなせること自体が直ちに安全を意味するものではない」と、従来の政府の組み換え食品の安全に対する判断を変更したことを、国会の答弁で認めました。日本共産党は、組み換え食品の安全について、アレルギー試験等もふくめた食品添加物なみの厳しい審査を、認可した組み換え食品についても実施すべきだと考えます。そして、すべての情報を公開すること。表示制度をEUなみに厳しくし、厳重にチェックする。輸入検査、市場検査等を強化する。生態系の破壊を引き起こさない対策の実施などを、みなさんとご一緒に、強く求めていきたいと考えます。 (恵)
〔2004・8・28(土)〕