日本共産党

2004年8月29日(日)「しんぶん赤旗」

都の「つくる会」教科書採択

「国の品格にかかわる」

中国・人民日報が論評


 【北京=菊池敏也】東京都教育委員会が来年開校の中高一貫校で使用する中学歴史教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を採択した問題で、二十八日付の中国共産党機関紙、人民日報は、「歴史を直視することは国の品格にかかわる」と題した、孫東民・東京特派員の論評を掲載しました。

 「つくる会」教科書は「歴史をひどくわい曲し、『皇国史観』を宣揚し、侵略を美化しており、社会経験の少ない青少年を毒する」と批判する一方、「採択率がこれまで0・1%未満だという事実は、広範な日本国民の良識を世界に示している」と評価しています。

 また、侵略の歴史を覆い隠そうとする組織が「日本の学界、教育界、政界、財界などで『ネットワーク』を形成し、一部大企業は資金援助し、政党や議会など権力の中枢にも代理人がいる」と指摘。石原都知事が権力を握るなかで、「都教委は右翼教科書を推進する『前方陣地』になっている」と批判しています。

 さらに、「どのような教科書で次の世代を教育するのか、正確に歴史を総括できるかどうかは、その国の品格にかかわる」と強調しています。

 結びでは「歴史認識の問題は、新世紀における日本の発展方向を反映するだけでなく、東アジア地域全体の平和と安定にも影響を及ぼす」と述べ、日本が世界で尊敬されるためには「歴史を直視し、歴史に対する共通認識を隣国とともに追求する」ことが必要だと説いています。



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