2004年8月29日(日)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】アテネからの報道によると、オリンピック開催中のギリシャのアテネで二十七、二十八の両日、パウエル米国務長官の訪問に反対するデモが行われ、数千人の市民が参加しました。米国務省は二十八日、「多忙」を理由に長官のアテネ訪問中止を発表しました。
デモはギリシャ社会フォーラムやギリシャ共産党が呼びかけたもので、参加者は「米国のイラク占領反対」「パレスチナに自由を」のプラカードを掲げ、「パウエルはペルソナ・ノン・グラータ(好ましからぬ人物)だ」と唱えながらアテネ大学前から米大使館前に向かいました。
デモは警察に阻止され米大使館には近づけませんでしたが、参加者は「昨年、不正義と残忍さに抗議したわれわれは今また抗議デモを行う」「われわれは反米ではない。米国の帝国主義的政策に反対だ」と訴えました。
パウエル長官は二十九日、オリンピック閉幕式に出席し、ギリシャ首相と会談する予定でしたが、一部の新聞は「今まで問題がなかったオリンピックが傷つけられる恐れがある」と報道し、懸念を表明していました。