2004年8月31日(火)「しんぶん赤旗」
|
【ニューヨーク=遠藤誠二】「ストップ・ブッシュ」「ブッシュお前はクビだ」「われわれはベトナム戦争に行き、お前は脱走兵となった」「ブッシュ、チェイニー=反米国」――ブッシュ、チェイニー正副大統領が再選を期すため開く共和党大会開会前日の二十九日、ニューヨーク市中心部の大会会場の外では、ブッシュ大統領を批判する、ありとあらゆる言葉が書かれた数万のプラカードが並びました。
マンハッタンの七番街を埋め尽くした市民の隊列。デモは、反戦のみならず、現政権の追い落としを狙うユニークな一大イベントとなりました。共和党支持者や右翼による対抗デモも開かれましたが、数十万の反ブッシュデモが圧倒。「ブッシュは正しい」と叫ぶ声は、かき消されました。
民主党支持者の多いニューヨーク市だけに、共和党側は「デモは民主党が仕掛けたものだ」と攻撃。しかし、民主党ケリー大統領候補を支持するプラカードは少数でした。
隣州ニュージャージーから来た女性マルゴさん(49)は、「ブッシュが再選されたら恐ろしいことがまた起こる。アフガニスタンやイラクでの殺りくが別の場所でも…」と語り、平和を次期政権に託すためデモに参加。
同じくニュージャージー州に住む女性ベティさん(57)は、「米国のみならず全世界は、ブッシュ政権をやめさせたいというわれわれ大勢の声があることを知ったと思う」とのべ、デモが与える影響は計り知れないと指摘しました。
米英両国と「有志連合諸国」が血塗られた地図を配っていたニューヨーク市民のジェリーさん(51)=建築家、男性=は、「日本は米国の圧力を受け、イラク戦争を支持しているが、それは日本国民の総意でないことを信じる」「この戦争をやめるため、選挙では民主党のケリーに入れるしかない」と述べました。
これに対し、中西部のネブラスカ州から参加した女性は、「同じ政策を掲げる二大政党では、イラクや経済問題など根本的な解決は図られない」として、ケリー候補は選択肢の一つでないとの考えを示しました。