2004年8月31日(火)「しんぶん赤旗」
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東京都教育委員会は三十日、「日の丸・君が代」を強制する職務命令に従わなかったとして、減給処分した教員三人に対する「再発防止研修」を、都民、教職員の抗議のなか強行しました。
都教委は二日、九日にも「再発防止研修」を実施。減給処分を受けた三人は二度目です。
「研修」会場の東京都教職員研修センター(目黒区)と近くのJR目黒駅前、都庁前などで保護者、市民団体、教職員らが、都教委に対する抗議行動を実施。
研修センター正門前では、「研修」を受ける三人の教員が「『日の丸・君が代』強制反対」「生徒への強制を許さないぞ」のシュプレヒコールと激励の拍手に送られて会場に入りました。
三人は別々の部屋でそれぞれ四人の都教委職員と向かい合い、校長同席のもと一時間半にわたり服務について「受講」しました。
「研修」後、二人の教員が記者会見し「内心の自由に不当に干渉するものであってはならない」とした東京地裁決定(七月二十三日)を引用して、「研修」の不当性を主張する意見書を提出したことを報告。これに対し都教委が「様式が整っていない」などとしてリポートの再提出を命令したことを明らかにしました。
「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」弁護団の加藤文也弁護士は、「事前の課題や研修の内容、やり方は相当に問題があり、違憲、違法の可能性が高い」と都教委を批判しました。
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都教委は昨年十月、学校行事での「日の丸・君が代」の扱いを事細かに決めた実施指針を通達。これに基づく職務命令に従わなかったとして、二百人を超す教職員を処分し、処分した教員に対する「再発防止研修」を強行。九月から該当校の「校内研修」を実施するとしています。
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は三十日、都教委の「研修」強行に抗議する声明を発表しました。
声明は、今回の「研修」が「減給処分者をことさら特別扱いにし、度重なる『命令研修』で『転向』『反省』を強要する人権侵害そのもの」と強く抗議。
また、都教委が九月から実施しようとしている「校内研修の即時中止」を求め、「石原都政下の『異常な』教育行政を告発」し、「『教え子を再び戦場に送らない』決意のもと、不当処分撤回まで戦いぬきます」と訴えています。