2004年9月1日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 先の参院選に向けた日本共産党の政策に「見直し、改善します」とある「地域運営学校」ってどういうものですか?(札幌・一読者)
〈答え〉 「地域運営学校」とは「保護者や地域住民が一定の権限を持って運営に参画する新しいタイプの公立学校」(04年3月中央教育審議会答申)のことをさします。
先の通常国会には「地域運営学校」の運営について協議する学校運営協議会の設置を可能とする法律「地方教育行政の組織及び運営に関する法律案」が出され成立しました。
その内容は、(1)教育委員会の指定する学校に学校運営協議会を設置する(2)委員は地域の住民、保護者、その他、教育委員会が認めるものを教育委員会が任命する(3)教育課程の編成や教育委員会規則で定める基本的事項について学校運営協議会の承認を受けなければならないとし、また教職員の人事についても意見を述べ教育委員会はそれを尊重しなければならないとしています。
教育委員会が指定する学校に協議会を設置し、委員も教育委員会が直接任命するというものでは教育委員会の意向を反映しやすい仕組みといわなくてはなりません。しかも、学校運営の主体である校長や教職員については参加を義務づけておらず、校長や教職員を協議会の下においています。児童・生徒の参加も全く考慮されておらず「子どもの権利条約」の精神をふみにじるものとなっています。
諸外国のこうした制度では必ず保護者代表や地域代表とともに校長や教職員代表を加えており、フランスやドイツでは生徒代表も加えています。
今、子どもと学校をとりまく危機的状況を克服するためには、教職員、父母、地域住民とともに子どもが参加し一体となった学校づくり、地域づくりが求められています。わが国でも、生徒をいれた3者協議会など大きな成果をあげているところもあり、こうした教訓を生かした見直しが必要です。(平)
〔2004・9・1(水)〕