2004年9月5日(日)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の市田忠義書記局長は四日、米軍ヘリコプター墜落事故の起きた沖縄県宜野湾市を訪れ、事故現場周辺の被害者から被害の状況を聞き取るとともに、沖縄国際大学の墜落現場を視察、渡久地朝明・学長らから説明を受けました。赤嶺政賢衆院議員、紙智子、仁比聡平両参院議員、嘉陽宗儀県議らが同行しました。
市田氏は宜野湾市の担当者らの案内で現場周辺の民家を訪問し、事故で飛散したコンクリート片やローター(回転翼)がぶつかり、傷ついたブロック塀や玄関の階段、扉などを視察。
事故現場の真向かいで中古車販売店を営む中村健一さん(35)は「自分の上にヘリが落ちてくると思った」と語りました。近くに住む平良進さん(70)は「宜野湾だけの問題ではない。日米安保というが、足元がぐらぐらしては安全じゃない」と声を強めました。島袋安英さん(62)は、自宅の庭に飛んできた物まで米兵が「触るな」と言ってきたと証言しました。
沖縄国際大学では、事故直後の現場を撮影したビデオを見ながら大学側の説明を聴取。渡久地学長は「教育機関としての機能を取り戻そうと努力している。ご支援のほどを」とのべ、日本政府や米軍に対し、(1)恒久的な飛行停止(2)事故についての正確な情報提供(3)有害物質・放射性物質についての情報開示―を求めたいという要望を示しました。
ヘリが衝突した大学本館を視察。いまもかすかに化学物質のにおいがただよう現場で、ローターにえぐられた外壁や炭化した樹木などを見ました。建物内にも入り、事故の衝撃で崩れたコンクリートの壁や崩壊した非常階段などを調査しました。
市田氏らはその後、宜野湾市役所で伊波洋一市長と懇談し、同市社会福祉センターで市民と意見交換しました。
その後の記者会見で市田氏は「基地閉鎖、撤去は一刻の猶予もゆるされない緊急の課題だ」と感じたとのべました。