2004年9月8日(水)「しんぶん赤旗」
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政府の出先機関である那覇防衛施設局が今週中にも名護市辺野古沖での米海兵隊の最新鋭基地建設に向けた海底のボーリング(掘削)調査を開始しようとしていることから、現地では緊迫した状況が続いています。
台風が沖縄本島を通過した翌七日午前七時、新基地建設に反対する地元住民らでつくる「命を守る会」やヘリ基地反対協議会のメンバー、支援する個人や団体の人々百五十人が座り込みを開始。四月に始まった座り込みは百四十二日目を迎えました。
防衛施設局の職員が午後二時、テント前に姿を見せました。座り込みの住民らは職員に「新基地の建設は断じて認められない」と説得。しかし防衛施設局側は「調査するということには変わりない。天候や現場の安全を確認して実施したい」とあくまで強行する姿勢をとりました。
名護市役所の近くに住む篠原孝子さん(41)は、日曜を除き毎朝六時半に座り込みに参加します。一年前、「きれいな海をどうして壊さなければならないの?」と素朴な疑問から始めた行動でした。「人殺しの訓練をする基地はいらない。この当たり前の訴えを多くの人に伝えてほしい」
県内外の弁護士も「辺野古の座り込みを守る弁護士の会」を結成し、七十二人の弁護士が賛同しています。
名護市東江から駆けつけた市民の一人、新島政子さん(49)は「普天間基地でのヘリ墜落事故で、基地はどこにあっても危険だとみんなが思いはじめた。その世論と一緒になって、沖縄にもう基地を造らせないという運動を広げていくことが大切」と強調しました。
全長二千五百メートル、幅七百三十メートルの巨大基地をサンゴ礁の海を埋め立てて建設する計画。埋め立て面積は二百七ヘクタールにのぼります。環境影響評価をへて、工期は約十年を見込み、建設費は約三千三百億円で、日本政府が支出します。