2004年9月9日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=浜谷浩司】イラク戦争での米兵の死者が七日、千人に達しました。米国防総省筋が確認したとして、米マスコミが伝えました。
ワシントン・ポスト紙五日付などによると、八月には米兵の負傷者が約千百人と開戦以来の最悪を記録。「都市部での戦闘が激しさを増している」とされ、「主権移譲」やイラク人同士をたたかわせることで、米兵の犠牲を軽減しようとするブッシュ政権の思惑は裏目に出ています。
ラムズフェルド国防長官は同日の記者会見で、テロによる民間の犠牲者は「ずっと以前に千人を超えている」などと、イラク戦争を「反テロ戦争」として正当化しました。
一方、英米の研究者でつくる民間の研究団体「イラク・ボディ・カウント」によれば、イラク戦争開始後から今年九月三日までの間に、米英などの占領軍により殺害されたイラク民間人は最少でも一万一千七百九十三人、最大で一万三千八百二人となっている、とされます。
イラク戦争に反対する「平和と正義のための連合」(UFPJ)や「戦争なしの勝利」(WWW)、「平和のための退役軍人の会」などは七日、「犠牲はたくさんだ、兵をいますぐ帰せ」とイラク占領の即時中止を重ねて要求。九日にはニューヨーク市内で緊急集会を計画しています。
また、「良識ある退役軍人の会」がブッシュ大統領とケリー民主党候補に対し、イラクの平和のための具体的な政策を示すよう求めるなど、米兵の「犠牲者千人」を機に、イラク撤退問題は大統領選挙の争点としていっそうクローズアップされようとしています。