2004年9月10日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】米軍とイラク治安部隊は九日未明から朝にかけて、イラク北部モスル近郊のタルアファルで激しい攻撃をおこない、現地医療関係者によると、イラク人二十七人が死亡、七十人が負傷しました。
一方、米軍は同日未明、イラク中部ファルージャの民家を爆撃し、現地医療関係者によると、イラク人八人が死亡し、十六人が負傷しました。死者のうち四人が子ども、二人が女性で、負傷者の半数が子どもとされます。
タルアファルでは「武装勢力掃討」を口実にした米軍攻撃が激化しており、四日と五日には二日連続の攻撃で女性や子どもを含むイラク人十六人が死亡、七十人以上が負傷しています。アラブ首長国連邦の衛星テレビ・アルアラビアによると、米軍が町を包囲、住民は避難さえできない状態だといいます。
ファルージャでは爆撃で北部の民家少なくとも二棟ががれきと化しました。空爆現場では周辺住民ががれきの下から犠牲者の搬出作業を続けており、死傷者はさらに増える可能性もあります。米軍は、国際テロ組織アルカイダにつながるザルカウィ氏一味の隠れ家を標的にしたと発表していますが、目撃者の証言では、死亡したのは一般住民の三家族です。