2004年9月10日(金)「しんぶん赤旗」
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「小手先の手法で住民はだませても、反対の意思はまげることはない」―。那覇防衛施設局が九日に強行した名護市辺野古沖のボーリング(掘削)調査。住民の反対を真っ向から無視して開始されたボーリング調査のやり方に、辺野古漁港で座り込みを続ける住民らは激しい抗議の声をあげました。
午後一時二十二分、沖縄名護市辺野古沖を那覇防衛施設局漁船三隻が通過。調査強行を許さないとつめかけた住民らは、辺野古の沖合いでなんとか抗議の声をあげようと漁船とカヌーで飛び出しました。
漁船に飛び乗った小西文江さん(53)は「地元の思いをどこまで踏みにじれば気がすむのか。新基地建設のための調査は絶対に認められない」と語気を強めます。
「これ以上、人殺しの手伝いをしないでくれ!」「作業をやめて帰れ!」。小西さんらの抗議の声が船の上から作業船に向けてあげられます。
「船からひっくり返りそうになりながら、抗議の声をあげた」というのは富田翔子さん(22)。住民の怒りに正面から応えようとしない施設局の強行に「怒りで身体が震えた」と話します。
陸上では、名護市の汀間漁港からマスコミ用の船で出航しようとした施設局の職員を住民らが止め、調査を中止するよう説得する場面も。「県民がこんなに怒りの声をあげているときに、なぜ調査強行なのか」と詰め寄る住民に、施設局の職員は一言も答えられませんでした。
朝五時に起きて駆けつけたという金城みのえさん(56)は「県民の怒りを無視しているという自覚があるから、施設局は姑息(こそく)な手段しかとれない。私たちの運動が彼らを追い詰めているんです。建設計画を白紙撤回させるまでがんばりつづけます」と力強く語りました。