2004年9月14日(火)「しんぶん赤旗」
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沖縄・宜野湾市民大会(12日)では、伊波市長、渡久地沖縄国際大学長など実行委員会のあいさつとともに、小学生・中学生からPTA、老人クラブまで文字どおり市民を代表する12人が意見表明しました。「子どもたちの基地をなくそうという純粋さがすてきです」などと参加者は思いを一つにして拍手を送っていました。
伊波市長は、「今回の事故により普天間基地が欠陥基地であることが明らかになった」と強調。沖縄に基地負担を押し付ける日本政府を批判し、「もはや、年月のかかる辺野古沖への移設では普天間基地の危険を取り除くことはできない。ただちにヘリ基地機能を停止させ、閉鎖と返還にむけて米国との協議を開始してもらわなければならない」と指摘しました。
また稲嶺知事に対し「辺野古移設を前提にして普天間を見るのではなく、危険な普天間の現状を直視する勇気をもってほしい」と訴えました。
渡久地学長は、「大学関係者および市民が生存の危険にさらされ、地位協定の壁によって大学の自治が侵された重大な事故」と糾弾。基地の騒音被害、事故の発生など「もはや私たちの受忍の限度を超えるものだ」として、大学機能の完全回復や航空機の即時・恒久的飛行停止、基地の即時撤去などを求めていく決意を述べました。
沖縄国際大学事故対策本部・鎌田隆さん 事故直後から現場に入りましたが、何度入っても身の毛のよだつのを禁じ得ません。現場が米軍によって閉鎖され、大学の自治が地位協定によって侵害されました。被害者不在の事故処理が進んでいます。発展を遂げている市街地や大学の近くの基地は退くべきです。本学は今後とも地域の人々と手を携えて復興、発展に力を注ぐ所存です。
宜野湾区自治会長・仲村清さん 事故ヘリが墜落するまでの状況を目の当たりにし、自分の頭上に落ちると思った人、乳児を抱いて外に避難した人は、ほんの数秒の差で親子の命を失うところであり、生きた心地がしなかったでしょう。市道に落下したヘリのプロペラ。そこは、志真志小学校の通学路です。私たち宜野湾区民の不安と恐怖による怒りはもう限界を超しています。
志真志小学校六年・島袋洋奨さん 友だちと現場近くに走りました。「近寄らないでください。また爆発する危険があります」と放送されたのを聞いて、とても怖くなり、急いで学校に行きました。みんな大きなショックをうけて不安な気持ちでいっぱいです。今度のような事故は、もう二度と起こってほしくないと思います。僕たちが安心して生活できる環境になってほしいと思いました。
嘉数中学校三年・内原理沙さん 私は沖縄が好きです。沖縄やそこに住む人を傷つけてほしくありません。事故で恐怖を体感し、基地は必要ないとあらためて思いました。私が大きくなったころには基地のない平和の沖縄に立っていたい。
嘉数中学校三年・木村なつみさん 事故以来、朝起きると目の前に(墜落事故跡の)黒い壁があります。この黒い壁は、いつか消えると思いますが、私の心の黒い壁は消えることはないでしょう。稲嶺知事、伊波市長、沖縄に基地があることが普通だと思わない子どもたちが生まれるような社会を目指してください。
中部商業高校二年・比嘉由梨恵さん 私は事故の状況を目の当たりにしたとき、身震いし、頭が真っ白になりました。私は普天間基地の辺野古への移設に反対です。移設しても「基地」という爆弾のたらいまわしでしかないように思います。私たちは静かに勉強したいのです。安心して暮らしたいのです。そして平和な未来が欲しいのです。私は基地の撤去を強く求めたい。
沖縄国際大学二年・新膳裕治さん 「基地の島沖縄」に生まれ、米軍基地の危険性を身近に感じながら生活してきた。米軍ヘリ墜落を受け、私たちの権利がこれほどまでに簡単に踏みにじられることに、抑えられない怒りと恐怖がこみ上げている。これまで引きずりつづけた現状を変え、新たな沖縄の未来を考えていかねばならない。
市PTA連合会会長・高江洲善勝さん 宜野湾市内には小学校が八校、中学校が四校あり、九千人余りの子どもたちが日々通学しています。基地がある限り危険はつきまといます。私たち県民は戦後六十年近くこの状況に耐えてきました。もう許していただいてもいい時期ではないでしょうか。子どもたちに静かな青い空を安全な町を返していただきたい。
市自治会長会会長・知念参雄さん 私たちは住宅地上空での飛行訓練の中止を求めてきましたが、米軍と日米両政府はその声を無視し続けてきました。その結果が、今回の墜落炎上事故です。今も、声をふるわせ涙が止まらずに恐怖におびえた子どもたちを思い起こすたびに身の毛がよだちます。沖縄と宜野湾の声に耳を傾けなかった非人間的な米軍、日米両政府の態度は絶対に許してはなりません。
市婦人連合会会長・本永静江さん 参加した皆様の思いはただ一つ、基地の飛行機の飛行を中止し、基地を閉鎖することだと思います。今こそすべての市民が行動を起こす時です。そのうねりが沖縄県民を動かし、全国に瞬く間に伝わっていきます。それが夏休みを決め込んで市長や知事に会ってくれなかった小泉総理の目を覚まさせる方法だと思います。
老人クラブ連合会会長・花城清英さん 危険きわまりない普天間飛行場。小学生の男の子がテレビニュースで、「基地撤去」を叫んでいました。その声は、私たちおとなに、基地撤去までがんばってくれと聞こえました。子どもたちの未来が明るいものになるために、このような事故が二度と起こらないために、私たち老人クラブもがんばっていきます。
市青年連合会会長・上里広幸さん 米兵による封鎖、現場検証なしの撤去、徹底した情報の未公開。住民感情は無視され、軍命優先の危機的状況に、首相は夏休みを理由に会議に応じません。その鈍感な対応に憤りを感じました。これは、沖縄だけの問題ではなく、日本全体の問題です。市民が望んでいるのは米軍の尻ぬぐいではなく、基地の即時返還です。