日本共産党

2004年9月14日(火)「しんぶん赤旗」

宜野湾市民大会の決議


 十二日に沖縄・宜野湾市で開かれた市民大会で採択された決議「米軍ヘリ沖縄国際大学への墜落事故に抗議し、普天間飛行場の早期返還を求める市民決議」は次のとおりです。

 2004年8月13日、午後2時18分頃、沖縄国際大学本館に米海兵隊所属CH―53D型ヘリコプターが接触し、墜落炎上するという大惨事が起こった。

 墜落ヘリは、沖縄国際大学本館の機能を麻痺(まひ)させ、本館を削り取ったブロック片や部品が地域住民を襲い、その結果、多くの市民が被害を被った。

 墜落ヘリの乗組員3人の負傷だけですみ、民間人には犠牲者が出なかったのは奇跡としか言いようがない。今回の事故は過去に起きたヘリ事故の中でも、最悪の事故であり、日米両政府及び米軍に対し、強い怒りを持って抗議する。

 さらに、米軍は日米地位協定を盾にして、拡大解釈により事件現場の立ち入りを制限し、所有者である沖縄国際大学関係者はじめ、宜野湾市及び県の関係機関を含め日本側の捜査、調査を排除した。そのために、大学運営の回復や地域住民の不安を取り除くための事故原因の究明や被害実態の把握に支障をきたした。提供施設外において米軍が優先され、法治国家である日本の主権が侵害された事態は、異常な事態と言わざるを得ない。

 また、市民、県民が、連日この事故に対し抗議し、米軍機の飛行中止を求めている最中、「原因究明まで事故機は飛ばさない」と在沖米四軍調整官が自ら発表したにもかかわらず、8月22日の静かな日曜日に次々とCH―53Dヘリを飛行させたことは、私たち宜野湾市民はもとより、沖縄県民に対する侮辱であり、挑戦と受け止めざるを得ない。

 1996年のSACO(注・沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告による普天間飛行場の返還合意の原点は、危険きわまりない欠陥飛行場を取り除き、県民の基地負担の軽減を図ることであったはずである。返還期限の7年がすでに経過し、今回のヘリ墜落事故は、その原点が改めて問われるものであり、日米両政府には今こそヘリ基地としての運用を直ちに中止させ、普天間飛行場の早期返還を実現するよう求める。

 すでに普天間基地所属機50機のうち40数機が同基地を離れていることが発表されており、残る10数機を早急にハワイ等に撤退するよう併せて強く求める。

 8万8千余の宜野湾市民は、尊い命と平穏なくらしを守るために、今回の米軍ヘリ事故とその後の対応に対し、怒りを持って抗議し、以下のことを強く求める。

    記

 1、被害の徹底調査と事故原因を明らかにし、すべての被害に対する謝罪と完全補償を早急に実施すること

 1、すべての米軍機の民間地上空での飛行を直ちに中止すること

 1、ヘリ基地としての運用を中止すること

 1、危険極まりない普天間飛行場を早期返還すること

 1、SACO合意を見直し、辺野古沖への移設を再考すること

 1、日米地位協定を抜本的に見直しすること

 以上、決議する。



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