2004年9月15日(水)「しんぶん赤旗」
パウエル米国務長官は十三日、上院政府活動委員会の公聴会で証言し、イラクの大量破壊兵器について「いかなる備蓄も見つかっておらず、将来も見つかりそうにはないと思う」と語りました。
パウエル長官の発言は、イラク・フセイン政権の大量破壊兵器保有を理由にブッシュ政権が強行したイラク戦争に大義がないことを政権首脳自らが公式の場で認めたものです。
米主導のイラク戦争・占領の根拠のなさが改めて示されたことによって、日本の小泉自公政権をはじめ、ブッシュ政権の言い分をうのみにして追随、派兵した諸国もその姿勢が鋭く問われることになります。
パウエル長官はすでに、昨年二月に国連安保理でイラクの大量破壊兵器保有を主張した際に根拠とした情報について、誤りを認めています。しかし、米政府の大量破壊兵器調査団のデビッド・ケイ前団長が今年一月に「備蓄はない」と述べた際には、将来の発見もありうるし、開戦時になかった可能性もある「決着がついていない問題」だとしていました。
今回の発言は、「将来の発見の可能性」まで最終的に否定したことになります。
ケイ氏後任のドルファー調査団長が現在報告書を作成中で、数週間以内にも発表される見通しです。この報告書も大量破壊兵器の存在を否定する内容となるとみられています。