日本共産党

2004年9月15日(水)「しんぶん赤旗」

侵略戦争いまも

イラク 米軍が事実上の無差別攻撃


図

 【カイロ=小泉大介】イラクの首都バグダッド中心部ハイファ通りの警察署付近で十四日、自動車爆弾による大爆発があり、暫定政府保健省によれば、四十七人が死亡、百十四人が負傷しました。米占領軍は先週からバグダッド市中心部をはじめ、バグダッド西方のファルージャ、北方のサマラ、北部のタルアファルなど各地で、武装勢力に対する作戦として、激しい攻撃を行っており、そのなかで、百人を超える一般市民が殺されています。米軍の攻撃は事実上、無差別攻撃となっており市民の死傷は急増しています。

 バグダッドでの戦闘の激化、武装ヘリコプターや戦車を投入しての米軍の無差別攻撃は、首都の市民の新たな怒りを呼んでいます。アラブ系衛星テレビ・アルアラビアなど現地からの報道によると市民の間では、米軍とともに、こうした事態を放置するアラウィ首相の暫定政権への怒りが急速にふくれあがっています。

 米軍当局はこれらの作戦を「外国テロ勢力などへの攻撃」としていますが、実際の攻撃対象は多数集まる市場や一般の住宅。米軍は「市場は攻撃していない」「武装市民と一般市民の区別がつきにくい」といいますが、市民の間からは、「低空飛行のヘリにはっきり見えるはずだ。彼らは市民がいるところを目標に攻撃を加えている」との憤りの声があがっています。

 十二日には、市内の米軍発砲の現場から状況を報じていたアラブ系衛星テレビのパレスチナ人記者が、米軍ヘリからの発砲で殺されました。同記者のチームは自分たちがプレスであることをはっきり示しており、低空飛行するヘリから認識できないわけはなく、むしろ狙い撃ちされたとみられています。

 六月二十八日の「主権移譲」、暫定政権の正式発足から二カ月余。しかし、いまだに十三万の米軍を軸に自衛隊も含む約十六万の「占領軍」は居座ったまま。米軍は「対テロ戦争」の名で軍事作戦を継続、市民殺りくをつづけています。イラクの現状はイラク侵略戦争がいまなおつづいていることを示しています。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp