日本共産党

2004年9月16日(木)「しんぶん赤旗」

アラブ外相会議 軍派兵を否定

「イラクに完全な主権を」


 【カイロ=小泉大介】アラブ連盟(二十一カ国とパレスチナ自治政府が加盟)の定期外相会議が十四日、カイロの連盟本部で開催され、多数の市民の犠牲者を出している米軍のイラクでの軍事作戦を非難するとともに、占領状態の終結めざす措置をとるよう国連に要求する決議を採択しました。

 開会あいさつしたムーサ事務局長は、「イラクで地獄の門が開いてしまった」とのべ、米政権によるイラク戦争の強行、その後の占領継続がイラクにとてつもない混乱と悲劇をもたらしていると指摘。「米占領を終了させ、イラクが完全な主権を回復するための支援をしなければならない」と強調しました。

 会議が採択した決議は、「われわれは米軍によるイラクへのすべての空爆と、各地で行われ、罪のないイラク人の命を奪っている攻撃を非難し、中止を求める」と表明。占領軍が収容所などで行っている虐待・拷問を「犯罪であり反人間的、人権の侵害だ」と厳しく批判しました。

 同時に決議は、イラクで武装勢力が行っているテロ活動に関しても、「市民や警察官を標的にしたあらゆるテロ作戦と、国際援助組織の活動家や報道関係者の拉致を非難する」と強調しました。

 その上で決議は、「国連安保理が占領を終結するために必要な措置をとるよう求める」とともに、直接選挙や憲法制定など政治過程の前進に向け国連が効果的役割を果たすべきだと訴えました。

 米政権が各国によびかけているイラクへの軍派兵問題に関してムーサ事務局長は、「外相会議が採択した決議は派兵にいっさい触れていない。現状で軍派兵を準備し決定することはできない」と明言しました。



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