2004年9月18日(土)「しんぶん赤旗」
昨年六月からイラクで大量破壊兵器を捜索してきた米政府のイラク調査団(チャールズ・ダルファー団長)が近く最終報告書をまとめ、イラクに大量破壊兵器が存在しなかったと結論づけることが明らかになりました。ロイター通信が十六日、米政府筋の話として伝えました。
これにより、イラクに大量破壊兵器が存在しなかったことが公式に確定し、米政権のイラク戦争正当化の口実は、米側当事者により完全否定されることになります。
報道によると同調査団は、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器開発計画を復活させる意図をもっていたことや、国連安保理決議で禁じられた物資を輸入していたことなどを指摘しながらも、大量破壊兵器の備蓄自体はなかったと明言します。兵器開発計画についても、小規模なものが存在していたにすぎないと述べます。報告書は約千五百ページ。九月末までに完成する見込みですが、機密事項が多く公開まで時間がかかる可能性もあるといいます。十一月二日の大統領選までに発表されるかどうかは不明です。
イラクの大量破壊兵器をめぐっては、パウエル米国務長官が十三日、上院政府活動委員会の公聴会で、「いかなる備蓄も見つかっておらず、将来も見つかりそうにない」と述べ、同兵器の存在だけでなく、将来の発見の可能性も明確に否定しました。