日本共産党

2004年9月25日(土)「しんぶん赤旗」

イラク

ニュージーランド撤兵

首相、治安悪化を懸念


 ニュージーランドからの報道によると、同国のバートン国防相は二十三日、イラクに派遣している施設部隊六十一人を撤退させることを明らかにしました。部隊は二十五日に帰国します。部隊は二〇〇三年九月からイラク南部のバスラに派遣され、英軍の指揮下で水道設備や公共施設の整備・再建にあたってきました。

 今年四月に部隊を九月に撤収させるとの方針を示したクラーク首相は二十三日、「施設部隊や平和維持部隊が(再度)派遣される可能性はとても低い」と言明。また、「最近起きている人質事件や人質の斬(ざん)首事件を考えると、イラクは民間人が行くような所でもない」と述べ、イラクの治安悪化を懸念しました。今後の支援のあり方については、兵士や民間人などをイラクに駐留させない形で継続していく意向を示しました。

 今回のニュージーランド部隊のイラク撤退により、アジア太平洋からの派遣国はオーストラリア、韓国、日本、モンゴルの四カ国のみとなりました。

 イラクから撤退を完了した国は、シンガポール、スペイン、ニカラグア、フィリピン、ホンジュラス、タイ、ニュージーランドの七カ国となり、ノルウェーとドミニカ共和国が撤兵を表明しています。

 ブッシュ米大統領は二十一日の国連総会一般討論での演説で、イラク再建のためにさらなる支援を各国に求めたばかり。米国が多国籍軍への参加国を増やそうと努力するなか、イラクから撤兵する国が相次ぎ、米国主導のイラク占領は孤立を深めています。



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