2004年9月25日(土)「しんぶん赤旗」
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安保破棄中央実行委員会は二十四日、結成四十周年を記念し、シンポジウム「問われる日本の進路―いま安保条約を考える」を東京都内で開き、百三十人が参加しました。元中国大使の中江要介さん、国際問題研究者の新原昭治さん、元IAEA(国際原子力機関)広報部長の吉田康彦さんがパネリストを務めました。
コーディネーターの西川征矢事務局長が、憲法問題などが国民の関心事に急浮上しており、日本の進路をともに考えていくシンポにしていこうと呼びかけました。
中江さんは、米国がアジアへの介入と干渉を強めるなか、日米安保体制のもとで日本もアジアの国々と“いびつな”関係をたどってきたと戦後の歴史を振り返り、日本がアジアで「愛されない国」となっていると指摘。靖国参拝をやめるなどアジアの信頼を勝ち取り、東アジアの平和と安定に日本が役割を果たしていくべきだとのべました。
新原さんは、米国が遠征攻撃部隊を世界のどの国にも敏速に送れるよう、世界的な米軍再編成に乗り出していることを解明。日米地位協定に秘密取り決めが存在していることを新たな米政府解禁文書でしめし、米軍特権がまかり通っている実態を指摘しました。「憲法九条か日米安保条約か」の根本的対立が際立ってきていると強調し、「安保条約破棄」を単なるスローガンにせず、大胆に話しかけていこうと訴えました。
吉田さんは、IAEAで北朝鮮問題にとりくんできた経験から、日米安保体制強化の“推進力”となっている北朝鮮“脅威”論をどうみるかについて解明。「北朝鮮の立場や置かれた状況を理解しないと日米安保体制強化の立場にしかならない」と発言。日本は国連で憲法九条を守りながら、軍事以外で世界に貢献していくことが大事だと強調しました。
会場から「いまの米中関係をどうみるか」との質問や海兵隊移転が狙われる北海道・矢臼別のたたかいについて発言がありました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が「米軍ヘリ墜落事故をきっかけに沖縄の県民世論が急速に変わっている」と報告しました。
同日夜、四十周年記念レセプションが開かれ、日本共産党から国民運動委員会の浦田宣昭責任者が参加しました。