2004年9月26日(日)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク多国籍軍を主導する米軍は二十四日夜から二十五日未明にかけイラク中部ファルージャで大規模な爆撃をおこない、現地医療関係者によると、女性や子どもを含む少なくとも八人が死亡し、十五人が負傷しました。
現地からの報道によると、爆撃は戦車に加え戦闘機も動員した激しいもので、夜空にはいくつもの炎が立ち上り、市中心部のビル二棟が倒壊しました。
ロイター通信は、がれきの下から二人の女性と幼い子ども一人が救出される映像を伝えました。
米軍は空爆の標的は国際テロ組織アルカイダにつながるザルカウィ氏一味の隠れ家だとし、「多国籍軍は市民の犠牲を最小限にするための方策をとっている」などと表明しました。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは二十五日、ファルージャ在住のジャーナリスト、ドレイミ氏に電話で取材。同氏は「米軍の言い分は完全なうそだ。米軍の戦車と戦闘機によるファルージャ攻撃は一晩中続き、多くの女性や子どもが犠牲になっている。通りには倒壊した民家と引きちぎられた民間人死者の体の一部が放置されている」とのべ、米軍の蛮行を告発しました。
この四月にファルージャで約七百人の住民を大量虐殺した米軍の爆撃は再び激化の一途をたどっており、同地の宗教指導者ラフェウ・アルアーニ師は本紙にたいし、六月半ばに空爆が常態化して以降の住民の死者は三百五十人に上ると証言しています。