2004年9月26日(日)「しんぶん赤旗」
ホームヘルパー全国連絡会は二十五日、東京・渋谷区内で「学習交流集会 介護保険見直しをヘルパーの仕事から考える」を開き、全国からヘルパーら約百人が参加しました。厚生労働省が来年度に予定している介護保険制度の見直しで、介護度の軽い人への訪問介護を大幅に制限・規制しようとしているなかで開かれたもの。集会では「軽介護者の給付を抑制することには反対です」とのアピールを採択しました。
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同連絡会の三輪道子代表があいさつ。高田年光副代表が、「家事代行」の訪問介護が利用者の能力低下を招いている―などとした厚生労働省の審議会報告(「介護保険制度の見直しに関する意見」)について問題提起しました。
高田氏は、ヘルパーがおこなう「生活援助」を「家事代行」と軽視する厚労省は職務の本質をとらえていないと批判。実例を紹介しながら「ヘルパーの生活援助は人々に安心を与え、意欲を引き出し、悪化予防に寄与し自立支援も果たしている。生活援助の訪問介護を限定・規制すれば、利用者の生活は悪化し状態の重度化はさけられない」と訴えました。
長野大学の石田一紀教授は同省の審議会報告について、「家事代行」が能力低下を招くとする客観的データが示されておらず、“軽度者の介護サービスが利用者の改善につながっていない”とする点も、一番軽い「要支援」の人のデータがない、などのごまかしを指摘しました。
参加者からは「介護保険になって一番弱いヘルパーにしわ寄せが来ている」「介護保険の制約でヘルパーが十分力を発揮できていない」―などの意見が出ました。