2004年9月28日(火)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相は二十七日、十一閣僚を入れかえる大幅な内閣改造をおこない、同日中に第二次小泉改造内閣を発足させました。「改革」の“目玉”と位置づける郵政民営化では、新たに郵政民営化担当相を設け、竹中平蔵経済財政担当相を兼務させました。小泉首相は改造後初の記者会見で、「改革路線をいよいよ実現する段階に入った。『郵政民営化実現内閣』、『改革実現内閣』と名づけてもいい」と強調しました。
消費税増税や定率減税廃止などをすすめる財務相には、谷垣禎一氏が留任。「三位一体の改革」をすすめ、郵政行政を所管する総務相も麻生太郎氏を留任させました。金融担当相には、伊藤達也同副大臣を昇格させました。
一方、外相には、文科相時代に侵略戦争美化の歴史教科書を検定で合格させた町村信孝氏を起用。新たな「防衛計画の大綱」策定を控えた防衛庁長官には党国防部会長を務めた大野功統氏をあてました。
公明党からは、坂口力前厚生労働相にかえて北側一雄政調会長が国土交通相で初入閣。後任の厚労相には尾辻秀久氏(参院)をあてました。
留任は、細田博之官房長官、中川昭一経済産業相、小池百合子環境相(沖縄北方担当相兼務)など六人。郵政民営化や「三位一体の改革」、消費税増税などの税制改定をすすめる主要閣僚は留任させる一方、外務や防衛などではタカ派を起用する布陣となりました。民間人からの起用はありませんでした。
また、小泉首相は“盟友”の山崎拓・自民党前副総裁(落選中)を川口順子前外相とともに、「首相補佐官」に指名しました。
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内閣改造に先立ち、小泉首相は自民党新三役について、幹事長に山崎前副総裁側近の武部勤衆院議院運営委員長、総務会長に最大派閥・旧橋本派の久間章生幹事長代理、政調会長に与謝野馨元通産相をそれぞれ起用しました。