2004年9月28日(火)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=浜谷浩司】パウエル米国務長官は二十六日、ABCテレビの番組で、来年一月に予定される総選挙が近づくにつれ、イラクでの戦闘が「悪化している」との認識を示し、衝突の回避ではなく、武装勢力を「敗北させる努力を強めなければならない」と述べました。
同長官は、「イスラム世界で反米主義が増大していることを否定しない」と表明。十月九日のアフガニスタン大統領選を成功させ、イラク総選挙の実施につなげたいとの希望を示しました。
イラクについては、「全土が参加する全面的な選挙を実施する」ため、衝突が続いている「スンニ三角地帯を支配下に置く」と述べました。放送後、記者団に対し、一月の選挙実施は「まったく現実的だ」とし、「わが軍が、ナジャフやクーファと同じく、これら都市を支配下に置くと信じている」と語りました。
一方、イラクやアフガニスタンを管轄する米中央軍のアビザイド司令官は同日NBCテレビの番組で、目標は選挙が「大半の地域でうまくやれる」ことだとし、「戦闘地域」の状況は「悲しむべきことに失望させられる」と述べて、選挙が実施できない地域が生じることを認めました。