2004年9月29日(水)「しんぶん赤旗」
町村信孝外相は二十八日午前の記者会見で、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について、「恒久平和のため、こん身の努力をしていることを日本国首相として英霊に誓う行為そのものは当然のことだと思う」と擁護するとともに、「首相が信念で参拝されることを、良いとか悪いとか言うことは差し控えるべきだ」と中国などの批判を非難しました。二十七日深夜の会見では、この問題に関連し、「中国側も少々むきになり過ぎているのではないか」とのべていました。
小泉首相は二〇〇一年四月の就任以来毎年となる四回の靖国神社参拝をおこなっており、侵略戦争容認につながるとして国内外から批判や懸念の声があがっています。この問題のために中国首脳の訪日は二〇〇〇年十月以来とだえたままとなっています。
町村氏は二十八日の会見で、「それぞれの国にはそれぞれの慰霊の仕方がある」として、「中国の方は、悪人で死んだ人はあの世に行っても悪人だという死生観を持っている」などと決めつけ、「A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社への参拝は中国人民に対する冒涜(ぼうとく)だという議論は、日本人にはすとんと分かったとは言い難い」などとのべました。
ただ自身の靖国参拝については、「外相の職に就いて参拝するかは別の考えがあっていいかもしれない」と明言を控えました。
町村氏は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の一員。毎年のように本人ないしは代理が参拝を繰り返してきました。
”天皇のために”戦死した軍人・軍属を「祭神」としてまつるための軍事的宗教施設。侵略戦争推進の精神的支柱とされました。一般の神社が内務省の管理だったのにたいし、陸海軍省の管理でした。事時慈持年にA級戦犯を「昭和殉難者」として合祀(ごうし)しました。