2004年9月29日(水)「しんぶん赤旗」
【北京=小寺松雄】町村新外相の発言に対して、中国社会科学院日本研究所の高洪・政治研究室主任は二十八日、本紙に次のように語りました。
町村氏の発言に中国の研究者として反論したい。「小泉首相が英霊に恒久平和を誓う」という。「英霊」とは本来は、正義や民族のためにたたかって命を落とした人をいうのでしょう。A級戦犯など戦犯をも含めて「英霊」というのは、日本の侵略戦争を直視していないことにほかなりません。
「日中の死生観の違い」を持ち出したのもおかしい。死んだあとの問題ではなく、生きている時に何をしたのかということが重要なのであって、生きている時の罪をあいまいにすることなく追及すべきだと思います。
町村氏が外相として靖国神社に参拝するかどうか、私たちは注視しています。もしそういうことがあれば、日中の外交パイプがストップするという重大事態になるでしょう。
そんなことにならないよう、改めて歴史を正視してほしいと訴えたい。