日本共産党

2004年9月30日(木)「しんぶん赤旗」

伊女性2人を解放

イラク武装集団

アラブ各国が拉致を非難


 【カイロ=小泉大介】イラクの首都バグダッドで今月七日から武装集団に拉致されていたイタリア人の女性二人、シモーナ・パリさん(29)とシモーナ・トレッタさん(29)が二十八日夜、解放されました。一時は殺害情報も流れましたが、二人とも同日深夜、特別機でイタリアに帰国。テレビカメラに向け「私たちは元気です」と話しました。

 二人はローマに本拠を置く人道援助団体「バグダッドへの懸け橋」の職員。同団体は湾岸戦争後の一九九一年に設立され、学校修復や水道の復旧などイラクの子どもたちや市民生活改善のため活動を続けていました。

 クウェート紙は犯行グループが身代金百万ドル(約一億一千万円)で解放に応じたと伝えましたが、イタリアのフラティニ外相はカタールの衛星テレビ・アルジャジーラにたいしこれを否定し、解放に尽力したアラブ・イスラム諸国政府に感謝の意を表しました。

 現地からの報道によると、二十八日には、イタリア人女性と同時に拉致されていたイラク人の男女二人も解放されたほか、二十四日までにバグダッドなどで拉致されたエジプト系通信会社「オラスコム」のエジプト人社員六人のうち五人も解放され、先に解放された一人とあわせ全員が解放されたもようです。

 イラクでの人質問題では、アラブ各国をはじめ国際社会がこれを非難し、人質の即時解放を求める声が大きな広がりを見せていました。

 十四日に開催されたアラブ連盟外相会議は「国際援助組織の活動家や報道関係者の拉致を非難する」との決議を採択。米国のイラク戦争に反対し外国軍の即時撤退を求めレバノンの首都ベイルートで十七日から十九日まで開催された国際会議でも、人質の即時解放を求めるアピールが出されるなど、反戦の立場の人々も、拉致などの方法は非人道的であり、問題の解決にならないと訴えていました。



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