2004年10月2日(土)「しんぶん赤旗」
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イラク駐留米軍とイラク人治安部隊は九月三十日夜から十月一日にかけ、バグダッド北方約百キロのサマラを急襲し、政府庁舎などの要所を制圧、イラク人九十四人を殺害しました。米軍側は、「武装勢力を殺害した」としていますが、現地の病院の医師は、女性十一人、子ども五人、老人七人を含む四十七人の遺体が病院に運び込まれたと述べています。侵攻作戦中、米兵一人が死亡、四人が負傷しました。
ロイター通信によると、米軍側は空爆しながら、戦車や装甲車で町に侵攻。砲撃で町全体が大きく揺れたといいます。空爆で少なくとも家屋七軒が破壊されました。米軍侵攻に対して、迫撃砲などによる反撃もあったといいます。米CNNテレビによると、米軍とイラク治安部隊は、侵入後、武装勢力の掃討作戦を展開しているといいます。
米軍側は声明を発表し、米軍とイラク治安部隊が一日未明に武装勢力から「度重なるいわれのない攻撃」を受けたためだとしています。
六月末の主権移譲後も米軍は八月にナジャフ、九月にファルージャなどで抵抗勢力をつぶし、支配を確立しようと大規模な攻撃をかけています。抵抗の激化で来年一月の暫定議会選挙の実施を危ぶむ声が米政権首脳からも出、十一月の米大統領選が近づく中、米軍は躍起となって攻勢に出ていますが、それがさらに抵抗とイラク国民の反発を強めています。