2004年10月2日(土)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相は一日午後、都内で講演し、在日米軍の再編問題に関し、在沖縄米軍基地の本土移転を進める考えを表明しました。首相は「代替機能を本土のどこに持っていくか。沖縄以外の都道府県のどこに持っていくかをこれから日本政府は考えなければならない」と語りました。
首相はまた、「沖縄以外の土地に移すという記事が出ると、名前が挙がるだけで自治体は反対する」と指摘。その上で、「(政府は受け入れ候補の)自治体に事前に相談し、その自治体が了承した場合は『日本はこういう考えを持っている』と米国と交渉する」と述べ、自治体側の同意を得た上で、米側との交渉に入る考えを示しました。
八月の米軍ヘリ墜落事故を受け、沖縄では米軍基地の撤去を求める世論が強まっています。在沖縄の米軍基地の本土移転は、「沖縄の負担軽減」を口実に、基地負担を国内でたらい回しにすることにほかなりません。首相の発言は、そのために今後、本土の自治体に受け入れを迫っていく考えを初めて鮮明に打ち出したものです。