2004年10月2日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本にある米軍基地の規模、どうすればなくすことができるのか、などを教えてください。(東京・一読者)
〈答え〉 日本は、韓国やドイツとともに米軍基地が集中する国です。しかも、沖縄でヘリ墜落事故を起こした海兵隊の恒久的な基地や、米海軍の空母攻撃群などが置かれているのは、米本土以外では日本しかありません。
在日米軍の施設・区域は、(1)米軍管理(2)自衛隊管理―に区分されます。(1)がいわゆる「米軍基地」で、総数88、面積は312平方キロメートルです。そのうち37、総面積の75%が沖縄県に集中しています。自衛隊管理の共同使用基地は46あります。
在日米軍司令部は横田基地(東京都)におかれ、在日米空軍司令部を兼ねています。
神奈川県には、在日米海軍司令部がおかれ、空母キティホークの母港である横須賀基地や、在日米陸軍司令部がおかれるキャンプ座間があり、沖縄県には海兵隊基地群などがあります。
兵力は約5万8千人(第7艦隊をふくむ)で、海兵隊が約2万1千人を占めます。
米軍は現在、地球規模での態勢見直しを進めており、韓国・ドイツの基地は大幅な削減が検討されています。しかし、在日米軍基地は基本的に維持したまま、全世界への戦力投入拠点として、いっそうの機能強化がねらわれています。
沖縄のヘリ基地墜落事故のように、米軍基地周辺では住民の生命・財産を脅かす事故が相次いでおり、多くの自治体が基地の返還要求を出しています。
それでも米軍がこれだけの基地を維持できるのは、日米安保条約と、同条約にもとづいて米軍の特権を定めた日米地位協定があるからです。加えて、日米安保体制に固執する日本政府の姿勢があります。
安保条約第10条では、締約国のどちらかが条約終了を通告すれば、その後「一年で終了する」となっています。政治の流れが変われば米軍基地は簡単になくすことができます。(岳)
〔2004・10・2(土)〕