2004年10月5日(火)「しんぶん赤旗」
四日午後二時四十五分ごろ、沖縄近海で訓練中の米アラスカ州エレメンドルフ空軍基地第一二戦闘中隊所属のF15戦闘機二機が空中で接触し、両機とも機体の一部が損傷したまま、沖縄本島中部の米空軍嘉手納基地に緊急着陸しました。
目撃者によると、接触した二機のうち一機は午後三時前、別の戦闘機に伴われながら着陸。二枚の垂直尾翼の上部がそれぞれギザギザに削り取られていました。約五分後に着陸したもう一機は、左側の主翼と水平尾翼の一部が破損していたといいます。
着陸時には、消防車など米軍の緊急車両や整備車両十台以上が出動。約一時間にわたり機体を点検し、けん引されて格納庫に向かいました。
嘉手納基地報道部は、「原因等については現在調査中である」として、事故の発生地点やどのような訓練が行われていたのかなどの詳しい状況については明らかにしていません。
沖縄県の稲嶺恵一知事は県庁で記者団に対し、「米軍ヘリ墜落事故の原因究明と再発防止が確認されない中、またもや事故が発生したことに、激しい憤りを覚える」とのべ、住宅地上空における飛行の中止、飛行の制限等を含め、米軍機の運用のあり方の再検証を求めました。
嘉手納町の宮城篤実町長の話 容易ならざることが起きてしまったという思いです。
八月には(米海兵隊)普天間基地のヘリコプターが墜落したばかりです。もしパイロットが途中で緊急脱出していたら、F15はコントロールを失い、着陸に失敗したかもしれません。どうなっていたかと思うと、非常に緊張しました。
なぜアラスカにいるはずのF15が沖縄周辺にいるのか。米軍は嘉手納基地を無制限に使用しています。事故原因の解明とともに、せめて政府は米軍に基地使用の限界点を求めるべきです。日本が独立した国なのか、そこで問われると思います。