2004年10月5日(火)「しんぶん赤旗」
「いよいよ改憲論議が高まっているなかで、ノーベル賞。とても良いアイデア。すごいインパクトがありそうですね。友人にも知らせておこうと思います―」(京都)。「『憲法9条にノーベル平和賞を!』の会」に寄せられた感想です。印刷出版産業の労働者でつくる全印総連女性部を中心に進めていた「憲法9条にノーベル平和賞を!」の運動を、賛同する人なら誰でも参加できるようにと実行委員会形式にして、九月に発足しました。
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「会」の誕生は、一月に開かれた全印総連女性部の春闘討論集会がきっかけでした。討論で、平和への取り組みをするときに「戦争反対」と唱和するだけではなく「〇〇を!」と平和をつくり出す“楽しい呼びかけ”ができないかということでした。誰もが理解でき、共感する呼びかけはないかと話し合い、「ノーベル平和賞」の言葉と憲法九条が結びつきました。
「会」は、準備会も含め五回の実行委員会を開き、運動の目的や意義、何をするのかを熱心に議論。「ノーベル平和賞をもらってよかったという運動ではなく、憲法九条を世界に広めたい」「ノーベル平和賞に匹敵するくらいの条文だと思うから、まずは九条に関心を持ってもらえれば」と話し合ってきました。
九月上旬の「会」の実行委員会では、「こんな運動をやっている人たちがいるのよ、と近所の奥さんに気軽に話ができるわ」と妻が話していたという報告も。戦争体験を持つ男性や組合員以外の人も初めて参加し、意見を交換しました。
イラク戦争開始一年の三月二十日に全世界規模で行われた国際共同行動に合わせ、この運動でも何かしようとビラやポスターをつくり、全印総連の地方組織に運動への賛同を呼びかけて送付。ビラは二万枚を配布しました。さらに追加で二万枚を増し刷りしました。
ビラには「会」への返信用はがきを印刷しました。現在までに憲法九条を世界に広げるアイデアや賛同、質問、Eメールも含め約二百通のメッセージが寄せられました。
「会」はまた、九条をイメージ化し、全文を英訳したデザインの「憲法9条Tシャツ」も作製。普段から身につけ、日常の生活の中でさりげなく九条を語ってもらおうというもので、一カ月で約八百枚を頒布しました。
「会」事務局の小澤晴美さん(40)は、組合の宣伝活動での経験から憲法九条そのものを知らない人も多いといいます。
「一人ひとりが、この取り組みを通じて、わかりやすい自分の言葉で憲法九条の大切さを伝えていくことが大事だと思います」と語っています。
「会」のホームページhttp://www.cpi-media.co.jp/ppwuj/