2004年10月6日(水)「しんぶん赤旗」
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沖縄近海での米アラスカ州エレメンドルフ空軍基地所属F15戦闘機の空中接触事故から一夜明けた五日、事故機が緊急着陸した米空軍嘉手納基地では、事故機と同型機が訓練を繰り返しました。事故の衝撃がさめやらない地元住民からは「米軍はあまりにも身勝手だ」「基地ある限り事故はなくならない」などと怒りの声が相次ぎました。
嘉手納基地では同日午前八時四十分すぎから、同基地所属のF15戦闘機が相次いで離陸し、同九時ごろまでに、九機がごう音をとどろかせながら飛び立ちました。
同基地に隣接する嘉手納町東区の宮平良啓自治会長は、「事故があるたびに、次は自分たちの地域に落ちるのではないかと精神的に追い詰められている。それなのに何事もなかったかのように同型機の飛行を始める米軍の無神経さは怒りを通り越している。住民をこの恐怖と不安から解き放つためには基地の撤去しかない」と訴えます。
同基地を抱える沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる三市町連絡協議会(三連協)会長の宮城篤実嘉手納町長は五日午前、同基地司令官に対し、F15戦闘機の飛行自粛や事故機所属部隊の早期撤退を要請。嘉手納町議会も六日に臨時議会を開き、F15戦闘機部隊の撤去、同基地への外来機の飛来禁止などを求める抗議決議と意見書を採択することを決めました。
嘉手納基地報道部は同日、事故機が接触したのは、沖縄本島の南約二百三十キロメートルの訓練空域であることを明らかにしましたが、事故原因については「現在調査中」として詳細には触れませんでした。