2004年10月6日(水)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】パリを訪問中のクワシニエフスキ・ポーランド大統領は四日、イラクに派兵しているポーランド部隊の撤退期限について「恐らく、二〇〇五年末までに撤退完了が可能だ」と表明しました。
ポーランドはイラクに二千四百人の部隊を駐留させ、六千人の多国籍軍の指揮をとっています。
しかし、イラク情勢の悪化で、すでにポーランド軍の兵士十三人と民間人四人が死亡。このため世論調査では七割が撤兵を求め、連立政権パートナーの政党、労働連盟は「明確な撤退期限の提示」を求めています。
クワシニエフスキ氏は「一月のイラク選挙でイラクの状況は変わる」と強調し、米国など有志連合同盟国に「ポーランド部隊は来年一月から規模を縮小し、おそらく二〇〇五年末には撤退完了できる」と表明していることを明らかにしました。
ポーランドはこれまで来年一月に駐留部隊の規模を縮小するとしてきましたが、完全撤退期限に言及したのは初めて。
しかし、完全撤退については「さまざまな選択肢を検討中であり、最終決定ではない」と語りました。
同大統領の表明を前にシュマイジンスキ国防相は四日、「選挙新聞」で「二〇〇五年末までの完全撤退」を表明し、チモシェビッチ外相が否定するという政府内の混乱がありました。