日本共産党

2004年10月6日(水)「しんぶん赤旗」

企業の社会的責任とは?


 〈問い〉 最近、「企業の社会的責任」という言葉をよく聞きます。どんな意味なのでしょう。また、日本共産党は、このことをどう考えていますか?(和歌山・一読者)

 〈答え〉 企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility=CSR)とは、企業は、短期的な利潤追求だけでなく、経済社会の「持続的発展」のためには、社会の一員であることを自覚して環境や雇用、地域経済、消費者保護など社会全体に対する責任をはたすべきだという考え方です。

 欧米を中心に90年代からCSRへの関心が高まり、昨年のエビアン・サミットでは「企業の社会的責任を重視する」という経済宣言が採択され、国際標準化機構(ISO)も6月にストックホルムで開いた会議で「CSRの指針」づくりを決めており、いまや世界の新しい流れになっています。

 経済同友会、日本経団連も相次ぎ、CSRの新しい“評価基準”や“行動憲章”を発表しています。しかし、財界の態度は「総論賛成」にとどまり、くらしや雇用などをまもるルールが極端に弱いのが現状です。政府の態度も「(欧州の特徴は)米国と異なり、政府が積極的に関与し、CSRを進めている」(経済産業省CSRに関する懇談会の中間報告、04年9月)ことを認めながら、逆に、規制緩和で大企業の身勝手さをいっそうやりやすくさせています。

 日本共産党は、大企業に社会的責任をきちんとはたさせ、安定した雇用、環境との共生、人間らしい生活と社会など、「ルールある経済社会」への前進をめざしています。そのために、先の参院選では、「リストラ規制、長時間労働、パート・派遣労働者への差別をなくす」「金融機関に、中小企業・地域経済への資金供給というあたりまえの責任をはたさせる」「大型店の出退店規制、親企業と下請け企業の対等・平等の関係」「産業界に二酸化炭素排出削減計画を義務づける、廃棄物での製造者責任をより明確にする」などを政策で掲げました。(喜)

 〔2004・10・6(水)〕



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