日本共産党

2004年10月7日(木)「しんぶん赤旗」

水道事業の民営化をどう考える?


 〈問い〉 日本では水道事業は基本的に公営ですが、ヨーロッパでは大きな水道企業が活動しています。水道法が改正され、第三者への業務委託も可能となり民営化への道筋がつけられました。日本共産党の見解はどうなっていますか?(長野・一読者)

 〈答え〉 水道法の改正(02年4月施行)で、浄水場の管理や水質管理等の技術的な業務に限定して第三者への委託が可能となりました。

 この改正の趣旨は、水道水源の汚染の拡大や水道水質基準の強化が求められる状況のもとで、日本の水道事業者(市町村)の圧倒的多くが小規模事業体で技術的・財政的基盤が弱いことから、より技術力の高い他の自治体や民間に委託できるようにするものとされています。

 ただし、実際は、小規模市町村よりも一定規模の市でこの改正を活用して民間委託がすすめられる例が目立ちます。そこでは、関係部門の人員が削減されたり、自治体が管理に責任を負う関係が弱まるなどの問題が生まれています。

 日本共産党は、水道事業全体の民営化には反対の立場です。

 水は、命を支える不可欠の基本的な資源です。ですから、水道事業は、水質の安全管理、資源・水質の保全、料金などについて、きわめて高い公共性が求められます。一度、水質事故が発生すれば、一挙に人命にもかかわる大量の被害を生み出しかねません。

 この特徴からも、水道は、将来にわたって安全で必要な水を供給することが、事業の使命であり目的です。利潤追求には根本的になじまないものです。水道法で水道事業は、「原則として市町村が経営する」としているのも、その趣旨からです。

 アメリカのアトランタ市では、一時民営化されましたが、民間企業が利益が望めないとして契約解消にいたり、再び公営化されました。水道事業の基本的公営の原則は、今後も堅持されなければなりません。(平)

 〔2004・10・7(木)〕



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp