2004年10月13日(水)「しんぶん赤旗」
厚生労働省は十二日、障害者政策の見直し案(「改革のグランドデザイン案」)をまとめ、社会保障審議会障害者部会に示しました。現在は身体、知的、精神の障害種別ごとに分かれている福祉政策を見直して、共通の制度に統合することがおもな内容。介護保険との統合もにらんでいます。
障害者の自己負担は、現行制度では負担能力に応じた応能負担となっていますが、これをサービスの利用量に応じて費用の一定額を支払う応益負担に変更します。来年の通常国会に新しい「障害福祉サービス法案」(仮称)や、身体障害者福祉法など関連法の改定案を提出する方針です。
現在、ホームヘルプやデイサービスなどの障害者福祉は障害の種類ごとに分かれ、原則として相互に利用することができません。見直し案はこれを改めて、現在は支援費制度に入っていない精神障害者福祉を含め、障害の種別に関係なくサービスを共通で使えるようにするとしています。
自己負担については、現在の応能負担ではホームヘルプの場合、九割以上の人が無料で利用しています。応益負担に変更することで、多くの人が負担の対象となります。
さらに、入院や施設に入所する場合の食費や日用品費も原則、自己負担とすることや、個室を利用する場合は施設利用料についても自己負担とすることも検討します。負担額には一定の上限を設定するとともに、障害児を除いて親など扶養義務者の負担はなくすとしています。