2004年10月16日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本共産党綱領のなかに、女性差別の面でも「国際条約に反する遅れた実態」があると書かれていますが、具体的にはどういうことですか?(宮城・一読者)
〈答え〉 日本は、女性差別の是正のとりくみが国際的にみても大きく遅れており、国連機関などからくり返し批判をうけています。
たとえば、日本は「女性に対するあらゆる差別の撤廃」をうたう女性差別撤廃条約を1985年に批准しました。ところが、政府は、批准してから20年近くたつのに、差別是正の取り組みはきわめて不十分です。
このため、昨年の女性差別撤廃委員会(各国政府の実施状況を点検し評価する機関)の日本審査では、多くの委員から「日本ほどの国が、女性により民主的で配慮ある政策を実施するのにこれほど長い時間がかかっていることに、驚きを隠せない」「前回の審査(94年)で具体的改善を求めたが、今回も全く同じことを言っている」など、きびしい意見が相次ぎました。
同委員会からは、国会・地方議員や裁判官、外交官などの公的な諸機関に女性が少ない、男女の賃金格差、パートや派遣労働に女性の比率が高い、家庭と仕事等を両立するために女性に直面している困難、夫婦の姓の選択の自由がなく婚外子への相続差別などが民法に残されている―など、多岐にわたる問題が指摘され、改善勧告が出されています。この他、国際的な人権問題の基準となる国際人権規約の委員会や、ILO(国際労働機関)専門委員会などからも、条約の規定に反する女性差別が社会の各分野に残されていることが指摘されています。
ことし一月に改定した日本共産党綱領は、国民のくらしや権利をまもるルールが確立していない一つに「女性差別の面でも、国際条約に反するおくれた実態が、社会生活の各分野に残って」いることをあげ、これを「日本社会の重大な弱点」とし、この改善を日本社会が必要とする民主的改革の主要な内容の一つとしてあげています。(玲)
〔2004・10・16(土)〕