日本共産党

2004年10月18日(月)「しんぶん赤旗」

イラク撤兵が共通要求

欧州社会フォーラム

“戦争が福祉削る原因”

“国際戦犯法廷設置を”


 【ロンドン=片岡正明、浅田信幸、西尾正哉】「もう一つの世界は可能だ」のスローガンでロンドンで開催されている欧州社会フォーラムでは十六日、米国のイラク先制攻撃戦争反対と米英軍など外国軍隊の即時撤退が共通した議題となりました。イラク問題を直接に扱う討論会だけでなく、各分野での討論会でも、この戦争が「福祉切り捨ての原因となる最大の無駄遣いだ」と反対意見が相次ぎました。

 十六日の「戦争、社会運動と政党」についての全体討論会では、イラク戦争開戦前にロンドンで二百万人の反戦デモを組織した英国の「戦争ストップ連合」のアンドリュー・マレー議長が、反戦運動は「英国史上、最も強力な社会運動となった」と指摘。「最も鮮明な課題は占領反対、即時撤兵だ」と述べ、多くの拍手を受けました。

 この全体討論会で、ベルティノッティ欧州左翼党議長(イタリア共産主義再建党書記長)は、「テロとの戦争」への対案は「平和の政策でしかありえない」と強調。ファシズムが一九二〇年代から三〇年代にかけてイタリアからスペインへと広がったのとは逆に「スペインから始まったイラク撤退をイタリア、そして英国へと実現するときだ」と指摘しました。

 また同氏はイラク侵略戦争は「人類に対する犯罪」だと告発し、「戦争犯罪国際法廷の設置を欧州社会フォーラムの意思としたい」と訴えました。

 また同日の「米帝国主義へのチャレンジ」についての全体討論会ではアイルランドの平和団体の代表、リチャード・バレット氏が、米国の対イラク戦争と占領の状態を許しつづければ、次にはイラン、シリアへの戦争、ひいては第三次世界大戦の可能性もあると警告し、「米国のイラク占領を終結させることは社会フォーラムの最優先課題だ」と提起しました。

 社会福祉削減問題や公共サービス切り捨て・民営化などの分科会討論でも、イラク戦争がとりあげられ、「英国はイラク戦争で五十億ポンド(約一兆円)も無駄にした。そのお金があれば公共サービス切り捨てをしなくてすむ」(英公務員労組ユニゾン)、「われわれは積極的にイラク戦争反対、占領反対に取り組んでいる」(ポーランド医療労組)との表明がありました。



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