2004年10月21日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は、朝日ニュースターの番組「各党はいま」に出演し、年金問題のほか、大量破壊兵器問題、米軍再編問題などについて、質問に答えました。聞き手は、佐藤和雄・朝日新聞政治部次長でした。
イラクの大量破壊兵器問題では、小泉首相がこの問題でのウソをごまかすために繰り返してきた二つの言い訳がともに崩れたことを指摘しました。
首相は昨年三月に、米英のイラク開戦を支持した際に、フセイン政権が大量破壊兵器を保有していると断定。これがウソだったことが明らかになっても、(1)かつてイラクが保有し使用したのは事実(2)イラクは国連による査察を拒否した―この二つの理由をあげ、“だから大量破壊兵器の保有を断定しても不思議じゃない”とごまかしてきました。
これにたいし、志位氏は十四日の衆院代表質問で、イラクが大量破壊兵器を保有・使用したのはいつか、国連による査察を拒否したのはいつかと追及。首相は、保有・使用では、一九八〇年代のイラン・イラク戦争など八〇年代の話しか出せず、国連の査察拒否では二〇〇二年十一月に査察再開して以降の事実はあげられませんでした。
志位氏は「小泉首相のみずからの答弁によって、二つの言い訳が両方とも崩れた、残ったのはウソだけだったというのがはっきりした」とのべました。
米軍再編問題では、神奈川県のキャンプ座間に米ワシントン州にある陸軍第一軍団の司令部を移転させる動きをとりあげ、同軍団がアジア太平洋からアフリカ東岸までをカバーする大部隊であることを指摘。「その司令官が在日米軍全体を指揮することになると、日本の米軍基地の性格が大きく変質することになる」と指摘しました。
そのうえで、政府内で“在日米軍の活動範囲は極東”とした安保条約六条(極東条項)に「縛られない」という発言が出ていることについて、「条約に縛られないでどんどんやるんだとなったら、法治国家でなくなってしまう」とのべました。
志位氏は、「地球的規模での司令塔機能の強化」と同時に、米軍と自衛隊の「一体化」があると指摘。「在日米軍は『極東』、自衛隊は『専守防衛』という枠組みの全体をとりはずして、地球的規模での作戦に米軍基地を使うし、自衛隊も一緒に出ていこうというのがいまの全体の流れだ」と警鐘を鳴らしました。