2004年10月29日(金)「しんぶん赤旗」
沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)に墜落した米海兵隊の大型輸送ヘリコプターと同型のCH53D三機が二十八日午前十時ごろ、米海兵隊普天間基地(同市)から山口県の岩国基地に飛行を強行しました。米軍岩国基地配備機で、午後三時五十三分に岩国基地に到着しました。普天間に残る五機のうち三機を先に帰還させ、後の二機は十一月中旬に戻す予定です。
宜野湾市は同日、これまで中止を求めてきた住宅地上空の飛行強行について、在沖縄海兵隊外交政策部へ厳重に抗議。稲嶺恵一・沖縄県知事も「残念」とするコメントを発表しました。
山口県平和委員会(久米慶典代表理事)は「帰還強行を強く抗議する」と声明を発表し、緊急集会を開催。広島県では、平和委員会、原爆被害者団体協議会、原水爆禁止協議会が連名で、在日米軍司令官に「ただちにハワイに帰還を」と抗議しました。
同型機ヘリ部隊は岩国配備直後の〇二年三月に広島空港に、今年四月には広島県安芸太田町戸河内に、それぞれ不時着しています。
CH53Dが墜落したのは八月十三日。十月八日の米軍の事故調査報告書で、事故機の整備がイラク出撃準備を突貫作業で急いだため、整備要員の手が震える状態であったことも判明しました。
二井関成・山口県知事や井原勝介・岩国市長は日本政府が飛行再開を容認すると、今月十五日に「国の判断を信頼したい。岩国基地への、ヘリ受け入れはやむを得ない」と追認しました。