2004年10月29日(金)「しんぶん赤旗」
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福岡県が久留米市の生活保護行政を監査し、申請書を渡さず申請権を侵害していることの是正改善を求めたことが二十八日わかりました。
日本共産党の八記博春福岡県議、甲斐征七生久留米市議が県庁で記者会見し、「追い返す手口が具体的に指摘されたもので、他の各自治体でも改善が求められている内容だ」とのべました。
今回の監査は、市民の相談を受けた八記県議、甲斐市議の申し入れに応じて、福岡県が実施したものです。
県が申請権の侵害とした具体的内容は、障害者手帳一級の人に診断書の提出を求めたり、年金証書や給与明細書、預貯金通帳の写しの提出を求めたり、低家賃住宅への転居や生命保険の解約を求め、それをしないと申請書を渡さなかったことなど九項目。
久留米市では、生活保護相談件数の八割に申請書を渡していません。しかも、申請書を渡されるまで何カ月もかかるケースが相次いでいます。
八記県議は「生活に困ったときの最後の頼みの綱なのに、申請書さえ渡されず泣き寝入りしている方々がいる」と指摘し、こんごも申請権の侵害を正していきたいとのべました。
全国生活と健康を守る会の辻清二事務局長の話 申請権の侵害について、これだけ細かく具体的に事例を示し、メスを入れたことは全国的に意義があり、運動の力になる。厚生労働省がいう「適正化」のための監査が多いなかで、福岡県で生活保護法がきちんと守られているか、申請者の権利が守られているかを監査して、改善を求めたことは積極的意味がある。