日本共産党

2004年10月30日(土)「しんぶん赤旗」

“無事帰して” 香田さんの母・兄 訴え

イラク人質 安否いぜん不明


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会見するイラクで人質となった香田証生さんの母節子さん(右)。左は兄の真生さん=29日午前、東京・日本外国特派員協会

 イラクで武装組織に拘束された福岡県出身の香田証生さん(24)の映像が流れてから四十八時間以上になった二十九日、武装組織が設定した自衛隊のイラク撤退期限(四十八時間)を過ぎたという見方も出るなか、同日午後十一時現在、香田さんの安否はいぜん不明です。

 証生さんの母親・節子さん(50)と兄・真生さん(26)が二十九日午前、東京都千代田区の日本外国特派員協会で証生さんの無事解放を願う気持ちを必死に訴えました。節子さんは「ご迷惑をお掛けしています。息子は心の優しい子。イラクで何かできることがあるのではないかと考えたのだと思います」と。真生さんも「弟は自衛隊と関係なく、一人の生身の人間として、何か平和のためにできることがあるのではないかとイラクに足を踏み入れたと思います。帰って来られたら平和のために働く男になるので、どうぞ無事に帰してほしい」と訴えました。

 証生さんの優しさについて「昨年十月に祖母が亡くなった時、私が看護婦をしている関係で十分な世話をしてあげられないなか、一番親身に看病してくれたのがこの子でした」という節子さん。自衛隊撤退についての質問には「国に対して何かをしろとか言う立場にありません」とのべたうえで、「民間人が活動することで、イラクに平和がくることを望んでいます」と消え入りそうな声で答えました。

 節子さんは「証生という名前の由来は『生きて証しをするように』という意味です。きっと生きて帰って、今回のことを糧に、世界のために役立つことができるために生まれてきた子だと信じています」と語りました。



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