日本共産党

2004年11月4日(木)「しんぶん赤旗」

改憲は世界の流れに逆行

憲法公布58周年 各地で会結成、集会、宣伝


憲法会議が宣伝 東京

 憲法公布五十八周年の三日、憲法会議と東京憲法会議は休日の買い物客でにぎわう東京・有楽町で「憲法改悪に反対し、九条を守りましょう」と宣伝しました。

 色とりどりのフェルトでつくった「憲法は平和の砦(とりで)」の文字をはりつけた布やのぼり旗をかかげ、憲法を守ろうと訴えるミニパンフを配りました。

 全労連や東京地評、民青同盟、新日本婦人の会、自由法曹団、国民救援会の代表が次々とマイクを握り、訴えました。

 日本共産党の山口富男衆院議員は、改憲勢力が狙うアメリカの戦争への自衛隊の派兵も、「憲法は二十一世紀に通用しない」との口実も、世界の平和の流れに逆行するものと指摘。「家族や恋人どうしで、改めて憲法について語り合いましょう」と呼びかけました。

愛知 3200人参加、第2会場も

 愛知県では「憲法九条を守ろう県民のつどい」が三日、名古屋市公会堂で開かれ、三千二百人が参加しました。開会前から数百メートルの長蛇の列。憲法守れの県民の熱い思いが結集しました。当初借りた大ホールは超満員になり、新たに一千人の会場を借りました。

 「九条の会」の呼びかけに賛同し、愛知の各界で活躍する三十三氏が呼びかけたもの。つどい賛同者はこの日までに八百十三人になりました。

 司会を務めた「あまちん」の愛称で知られる俳優の天野鎮雄さんも「僕は機銃掃射を受け桑畑を逃げました。あんなことを子どもたちに絶対味わわせてはいけない」と訴えました。

 俳優の山田昌さんらが次々にトークに立ちました。当初予定していた加藤周一さんに代わり、急きょ小林武愛知大学法科大学院教授、水田洋ピースアクション共同代表が講演をしました。「愛知九条の会」を年内にも結成することが報告されると、大きな拍手がわき起こりました。

 名古屋出身のシンガーソングライター、横井久美子さんと、この日のために結成した「輝け憲法合唱団」が、ともに平和への思いを歌い上げました。

 呼びかけ人の一人で元名古屋自由学院短期大学学長の森川恭巌さん(73)は「三十分も前から千人を超えるような長蛇の列で、思い出すと涙が出てきます。憲法九条を守ることが多くの人の心をとらえているからだと思います」と語っていました。

千葉 会場あふれる500人余

 日本国憲法の公布から五十八周年にあたる三日、千葉市内で「憲法講演会」が開かれました。

 会場があふれるほどの五百人以上が参加しました。

 憲法改悪阻止の運動を大きく広げようと「平和・民主・革新の日本をめざす全国の会」(全国革新懇)と「革新と正義のための千葉県の会」(千葉県革新懇)が主催したものです。

 日本共産党の山口富男衆院議員が、国会の憲法調査会委員としての活動もまじえて講演しました。

 山口氏は、「憲法を変えようとする勢力は、一見大きそうだが、憲法改定の動きは国民の要望から出たものではなく、足場は弱い」と指摘。「憲法で、戦力不保持と交戦権放棄を規定したのは日本の九条だけであり、世界に先駆けた画期的なものです」とのべ、「憲法を守り、世界に輝かせよう」と訴えました。

 講演を聞いた公務員の男性(23)=木更津市=は「アジアの学生からも『九条を守ってほしい』と言われたとの話に感動しました。『憲法九条守れ』は日本だけでなく、アジアや世界の人たちみんなの願いだと感じました」と語りました。

長野・辰野 思想、信条超え

 「憲法九条を守る県民過半数署名をすすめる辰野の会」(略称・「九条の会たつの」)発足集会が三日、長野県辰野町の中央コミュニティセンターで開かれました。町内外から会場いっぱいの七十人が参加しました。

 集会は、婦人、食堂店主、教員、住職、キリスト者など町の一般住民のほか、保守系から革新までの現・元町議、町議会議長や元町長をも含む文字通り思想、信条、党派の違いを超えた幅広い人々の呼びかけで開かれたもの。十一月一日現在、呼びかけ人は百二人です。

 記念講演した長谷川正安名古屋大学名誉教授は「いま若者の間で憲法問題がわからないという人が多いことをどう受けとめるかが重要」と提起。「若い人には若い人なりのわかり方があることに注意して、違いに応じた語り方をしていくことが大切ではないか」と語りかけました。

 集会では会の目的として、辰野町民過半数の一万人を目標に「憲法九条を守る県民過半数署名をすすめる会」の請願署名を集約することを確認しました。

大阪 「子のために」…1千人が熱心に

 憲法公布五十八周年の三日、関西在住の著名人の呼びかけによる「輝け9条 大阪のつどい」(同実行委員会主催)が大阪府寝屋川市で開かれました。「9条の会」事務局長の小森陽一東京大学教授が講演。約一千人の参加者は、熱心に耳を傾けました。

 小森氏は憲法改悪の動きが加速し、前提として教育基本法の改悪が狙われていると指摘。東京都では卒業式で君が代を歌っているかどうかを教育委員会が一人ひとりチェックしているとして、「基本法が改悪されたら全国がいっせいに東京都状態」とのべました。

 集会は、ことし六月から大阪府内の憲法関係団体が合同して準備を進めてきたもの。呼びかけ人を代表してあいさつした大阪経済法科大学の澤野義一教授は、四千人が集まった九月十八日の「9条の会」講演会を紹介。「市民がいかに憲法を大切に思っているかが示された。来年に向けて運動を大きくしていきたい」と語りました。

 参加した松本理恵さん(39)=大阪市東淀川区=は、「三歳の息子がいるんですけど、大きくなったときに軍隊に行くようになったら大変」といいます。同僚と参加した会社員の女性(46)は、「先生をチェックしているなんて、初めて聞いた。(講演の内容を)周りにはちょっとしか伝えられないけど、黙っていたらおしまい」と語りました。



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