2004年11月5日(金)「しんぶん赤旗」
イラクへ兵士を派遣しているオランダとハンガリーが三日、来年三月末までに撤退することを相次いで発表しました。ブルガリアも同日、派遣兵士の規模縮小を明らかにするなど、イラクを事実上占領支配している米主導の多国籍軍の一角がさらに崩れつつあります。
オランダ国防省は三日、声明を出し、イラクで治安維持任務に就いている千三百五十人の同軍兵士の交代要員を派遣し、十一月半ばから来年三月まで任務に就くと発表。その際、「オランダの貢献はこの任務で終わる」とのべ、三月中に部隊を撤退させることを強調しました。
米国などの占領への反発から生じたイラクの治安悪化で、今年に入って兵士二人が死亡したことを受け、オランダ国内では撤兵を求める声が強まっていました。オランダ軍は、陸上自衛隊派遣地の南部サマワの治安も担当しています。
ハンガリーのジュルチャニ首相も同日、イラク派遣部隊三百人を三月末までに撤退させると表明しました。
一方、ブルガリア国防省は三日、イラク中南部派遣の四百八十三人の部隊を四百三十人に十二月から削減することを明らかにしました。イラク派遣のブルガリア兵はこれまでに七人が死亡しています。
二千四百人を派遣しているポーランドのクワシニエフスキ大統領も十月初め、来年末までにイラク派遣の兵士を撤退させる考えを表明。その後ベルカ首相が撤退時期については未定と述べたものの、部隊の規模縮小の意思を示しています。