日本共産党

2004年11月7日(日)「しんぶん赤旗」

ブッシュ・小泉3年半

いつまで続く危険な関係

問われるイラク派兵延長


 ブッシュ米大統領の再選を「心から祝意を表したい」と歓迎し、「『世界の中の日米同盟』を一層強化する」と表明(四日の談話)した小泉純一郎首相。「根っからの親米派」「ブッシュの前に出るとしっぽがちぎれるくらいしっぽを振る」と自ら口にして恥じない“忠犬”ぶりを発揮したのが、第一期ブッシュ政権下の三年半でした。そんな関係を続けていくことほど世界にとって危険なことはありません。

 小泉首相は談話で、ブッシュ大統領が「国際社会の平和と安定を確保すべく尽力してきた」と称賛しました。しかし二〇〇一年九月の同時多発テロを受けてブッシュ大統領がやったのは、アフガニスタンに対する報復戦争であり、イラクに対する無法な戦争と違法な占領でした。

 ことにイラク戦争では、小泉首相が米国の言い分をうのみ、おうむ返しにして、イラクの大量破壊兵器保有を断言。米国のイラク戦争を全面的に支持し、その後の不法な占領には自衛隊派兵で“支援”してきました。

 しかし米国のイラク軍事占領支配はさまざまな矛盾に直面し、その横暴にはイラク暫定政府内からも懸念の声があがるほどで、国際的にも、派兵をやめた国が相次いでいます。そうしたなか、十二月十四日で期限が切れるイラク派兵の延長が焦点になります。混乱の根本原因である米国の軍事占領支配にこれ以上協力を続けていいのかが、するどく問われています。

 またブッシュ政権は「先制攻撃戦略」を掲げて、核兵器使用も辞さない危険な政策を表明。これにも小泉首相は「米国が国際法に違反する行動をとるとは思わない」などと容認する態度を示してきました。

 米軍が世界的規模で進める「再編計画」はその具体化の一環です。ところが小泉政権は米側との協議内容については一切明らかにしません。在日米軍の「再編」をめぐっても「抑止力の維持」を掲げ、「地元負担の軽減」をいいながら、沖縄でのヘリ墜落事故に抗議すらせず、基地をたらい回しにするSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意をごり押しする姿勢に変わりはありません。

両首脳の3年半
2001年
1月20日ブッシュ大統領が就任
4月26日小泉氏が首相に指名される
6月30日ワシントン郊外で両氏による初の日米首脳会談。共同声明で「安全保障面での協力の強化」
9月11日米国で同時多発テロ
9月25日ワシントンで首脳会談。首相が同時多発テロ対応で自衛隊派兵など七項目「支援策」表明
10月20日上海で首脳会談。首相、アフガニスタン報復戦争への協力を表明
11月9日テロ特措法にもとづき海上自衛隊艦船をインド洋に派兵
2002年
1月29日大統領、一般教書演説でイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しで批判
2月18日東京で首脳会談。大統領「日本は米国の最大で真の友人の一人」。首相「テロ根絶のたたかいで米国を今後とも支援」と表明
6月25日カナダ・カナナスキスで首脳会談
9月12日ニューヨークで首脳会談。対イラク軍事行使問題で、同国の脅威を認識することで一致
2003年
1月28日大統領、一般教書演説で「イラクが大量破壊兵器を完全に廃棄しないなら、友好国を率いて武装解除する」
2月5日国連安保理外相級会合、パウエル米国務長官がイラクの大量破壊兵器開発に関する「証拠」を開示
3月12日国連安保理公開会合、日本政府は対イラク武力行使容認決議案支持を表明
3月17日大統領、対イラク最後通告演説。首相はすぐさま支持を表明
3月20日米英がイラク攻撃を強行
4月9日米軍バグダッド制圧
5月1日大統領、大規模戦闘が「終結」と宣言
5月23日テキサス州クロフォードで首脳会談。「地球規模の同盟」を強調。首相、イラクへの自衛隊派兵の意向を表明
7月26日未明に与党が参院本会議でイラク特措法の採決を強行
10月17日東京で首脳会談。首相、自衛隊派兵の方針を表明
2004年
2月3日陸上自衛隊本隊をイラクに派兵
6月8日米ジョージア州シーアイランドで首脳会談。首相、イラク多国籍軍への自衛隊参加を表明
8月13日沖縄県宜野湾市で米軍ヘリコプターが墜落事故
9月21日ニューヨークで首脳会談
11月3日ブッシュ氏再選


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