2004年11月10日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は九日午後の記者会見で、イラクのファルージャを米軍が包囲して事実上の住民無差別虐殺を始めたことについて、すみやかな中止を求めるとともに、この作戦を「成功させなければならない」とする小泉純一郎首相の発言(別項)について、「怒りとともに驚きをもって聞いた。許されない」と批判しました。
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米軍の住民虐殺作戦について志位氏は、「おびただしい数の民間人の犠牲者を出しかねないという点でも、戦争とテロの悪循環をいっそうひどくして、イラク全体の情勢悪化を招くという点でも、二重三重に許しがたい蛮行だ」と批判。
小泉首相の発言については、「およそ人命が損なわれることに対する認識もない。それがもたらす結果に対する認識もない。ただ米国がやっている作戦だから支持しようという、対米追随の姿がむき出しになったものだ」と批判しました。
そのうえで、日本政府の対応として二点が大事だと指摘しました。
第一は、無法な住民虐殺作戦をやめるようはっきり米国に求めることです。志位氏は「武力弾圧路線をやめ、対話と政治的解決のプロセスに軌道を移し変え、それを国連が支援することこそが重要だ」と強調しました。
第二は、自衛隊のすみやかな撤退に向けた真剣な検討をおこなうことです。志位氏は、虐殺作戦をやっている米軍を支援する形で自衛隊が活動を続ければ、共犯者の地位に身を置くことになると指摘。「その自覚もなしに『作戦は成功させなければならない』ということが何をもたらすか。本当の自由や独立を願っているイラク国民全体を敵に回すという立場に、日本政府が立つことになる」と批判しました。
小泉純一郎首相は九日午前、駐留米軍によるイラク中部ファルージャへの総攻撃について「成功させないといけない。治安の改善がイラク復興のカギですから」とのべ、罪のない住民多数を殺害している米軍の侵攻に支持を表明しました。その理由として「テロリストグループが混乱させようと動いていますから」と米軍の口実をおうむ返しにしました。
首相官邸で記者団の質問に答えました。