日本共産党

2004年11月10日(水)「しんぶん赤旗」

無年金者39万人に

保険料払い続けても受給権なし

会計検査院検査報告


 国民年金の現役被保険者で、今後保険料を支払いつづけても老齢基礎年金の受給権を得られず無年金になる人が三十九万三千人にものぼることが、九日、会計検査院が内閣に送付した二〇〇三年度決算検査報告の推計で明らかになりました。

 老齢基礎年金の受給権は、保険料納付期間二十五年以上という諸外国に例の無い長期の負担を要件としているため、未納、未加入の期間が長い人は、老齢基礎年金につながらず無年金となるおそれがあります。

 会計検査院は、社会保険庁のデータにもとづき、国民年金一号、三号被保険者について無年金になる人数を調べました。これ以外に、(1)未納期間のある人が未納分を納め、今後も納めつづけると受給資格が発生する十二万人(2)六十歳以上の原則の加入期間に加え六十五歳まで任意加入すれば受給要件を満たす七十九万人がいます。(1)(2)の人はそれぞれの要件を満たさない場合無年金者となるわけで、こうした人を加えると、無年金者になるおそれのある人は約百三十万人にのぼります。

 なお、この年金加入期間のデータには、社会保険庁で把握していない共済年金加入期間や海外在住期間などの「カラ期間」などが反映されていないため、これらの期間を加えると受給権が発生する人もいます。このため、実際の無年金者の数はその分少なくなります。


老齢基礎年金の受給権

 老齢基礎年金受給権発生の要件は、国民年金加入期間二十五年以上とされています。加入期間には、国民年金の一号(自営業者、失業者などが対象)、二号(厚生年金、共済年金加入者)、三号(二号被保険者の被扶養配偶者)などの期間がある場合、これらをあわせて計算します。

 二号被保険者が失業して、一号になる手続が必要なのに放置したため未加入になるなどのケースも問題化しています。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp