2004年11月11日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 帝国主義についての見方の新たな発展についての質問(昨日付)との関連ですが、アメリカはやはり「帝国主義」という規定なのですか?(埼玉・一読者)
〈答え〉 改定した日本共産党綱領は、帝国主義という言葉を“その国の政策と行動に侵略性が体系的に現れているとき”に使うことに改めました。
この見地からみても、現在アメリカがとっている世界政策はまぎれもなく帝国主義です。アメリカはソ連解体後も侵略と戦争の政策を捨てませんでした。改定綱領が「アメリカは、『世界の警察官』と自認することによって、アメリカ中心の国際秩序と世界支配をめざすその野望を正当化しようとしているが、それは、独占資本主義に特有の帝国主義的侵略性を、ソ連の解体によってアメリカが世界の唯一の超大国となった状況のもとで、むきだしに現わしたものにほかならない」と記述したのは、そのためです。
いま、アメリカは「悪の枢軸」と呼んだイランや北朝鮮だけでなく、将来、軍事的に自分のライバル(競争者)になる可能性をもつすべての国を先制攻撃の対象とする(そのなかには、中国まで公然とふくめている)までに覇権主義を肥大化させています。この危険性から目をそらすわけにはゆきません。
同時に私たちはアメリカの将来を固定的に見てはいません。改定綱領で、対日関係を、「アメリカの対日支配は…帝国主義的な性格のものである」としたのは、アメリカが独占資本主義の体制のままでも対日支配を終結させることは実現可能だということです。安保条約の廃棄後、日米間に対等・平等の友好関係が確立されるならば、帝国主義的な要素の入り込まない日米関係が成立しうる展望はあるのです。綱領第2章の日本の現状規定に「アメリカ帝国主義」という用語を使わなかったのはそういう見地からです。(喜)
〔2004・11・11(木)〕