2004年11月16日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク駐留の米軍による中部ファルージャ総攻撃は、十五日で開始から一週間が経過しましたが、依然市内各地で激しい戦闘が続き、住民の被害は深刻さを増しています。
イラク赤新月社(赤十字社に相当)は十四日、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラに対し、食料や医薬品を届ける緊急援助隊が市西端の総合病院に到着したものの、米軍によって市街への立ち入りを拒否されていると告発しました。
救援隊メンバーであるアブファード氏は「米軍は市の八割を支配しているといいながら、安全を理由に市街に入ることを拒否している」「ファルージャでは電気も水も断たれている。医薬品も救急車もない」「住民は家から出ることを望んでいるが、安全な場所はない。通りには死体や負傷者が放置されている」と述べ、「国連が私たちの訴えを聞き入れることを望む」と主張しました。
住民は現在、汚水を飲んでおり、ある家族では、七人の子ども全員が激しい下痢に見舞われている例も報道されています。
赤新月社のアルウバディ氏は「飢餓と水不足によって死者が出ている。特に、子どもの状況は深刻だ」「この危機を解決できなければ、ファルージャは大惨事に陥り、それは他の都市にも広がるだろう」と強調しました。
一方、ロイター通信によると、米海兵隊の大佐は「われわれは住民への支援物資を持っており、援助なら自分たちでできるが、市街地に市民が残っているとの報告は聞いていない」「負傷者がいれば総合病院に連れてくる。援助活動はこの病院でできる」などと語り、住民の深刻な被害を無視。あくまで赤新月社の立ち入りを許可しない姿勢を示しています。